在宅での感染防止対策　 あいあい薬局　下関　薬局　

高齢化社会の進行にともない、在宅で療養をされる高齢 者は増えており、従来は医療機関で行われていたような介 護が、自宅でも行われるようになってきました。一般に、 自宅での介護の場合は、病院や介護施設にくらべ感染のリスクは低いと 考えられていますが、免疫機能の低下している高齢者を介護する上で、 在宅での感染対策をおろそかにすることはできません。感染対策が不十 分だと、思わぬ感染症を引き起こし、重症化することもありえます。

①　感染予防の基本は「手洗い」 医療機関における感染予防対策の基本は「手洗い」だと言われていま すが、在宅介護の場合も同様です。療養者の周囲に病原体を持ちこまな いようにするため、また療養者から病原体を持ちださないようにするた めには、手洗いを徹底することが重要です。 感染症の感染経路には飛沫感染、空気感染、接触感染がありますが、 最も多いのが「手指」を介した接触感染です。排泄物やおう吐物などの 処理を行った場合には必ず手洗いを行います。

手洗いが不十分だと、介 護者が手に付着させた病原体によって、家族への感染がおきることがあ ります。 また、人の手はさまざまなものに触れるため、外部からのいろいろな 病原体が付着しています。手洗いをせずに、そのまま介護を行ってしま うと、療養者は感染のリスクにさらされることになります。外出から帰 った時など、必ず手洗いをするようにしましょう。 接触感染をする主な病原体には、MRSA などの抗菌薬が効きにくい菌 や腸管出血性大腸菌（O-157 など）、ノロウイルスやロタウイルス、疥癬、クロストリジウムディフィシル（下痢症）などがあります。

山口県薬剤師会